オフィスデザインを見直すことによるメリットは?

政府が船頭をとり普及を進める働き方改革にあっては、長時間労働の解消や年次有給休暇の取得の義務づけ、同一労働同一賃金、テレワークの推進など問題の俎上に上がる問題は多岐にわたります。そこで最近改めて脚光を浴びることになったのがオフィスデザインの見直しにあります。

オフィスデザインと働き方改革、一見すると関係性が希薄な問題ですが、そこにはどのような課題や特性があるのでしょうか。そもそも現在のオフィスデザインの源流は、中世のヨーロッパにあるとされています。地中海の中央に位置するイタリアはフィレンツェで、東方貿易と金融業で財をなしたメディチ家が1560年に建立されたオフィスビルが起源とされているようです。

19世紀に入り産業革命がヨーロッパを席巻した影響で、規格品の大量生産が実現すると、生産設備と生産管理や企画などを担う部門の分化が進み、製造設備とは独立してオフィスが設けられるようになったのが、現在のオフィスデザインにつながっています。

日本にオフィスビルが紹介されたのは明治以降の時代であって、我が国におけるオフィスビルの歴史は100年ほどです。当初の日本のオフィスは什器の多くは木製で、現在主流となっているスチールや樹脂製素材は活用されていませんが、オフィスデザインにおいてが島型対向式のレイアウトが採用されており、基本的スタイルはこの100年、あまり変貌を遂げていないのが現状です。

他方で同時代のオフィスビル先進国の欧米では、経営コンサルタントが組織における情報の流れを分析し、オフィスデザインに反映させる動きが活発化することになりました。就業場所にあってもプライバシー空間を確保する潮流が鮮明になっています。

現在、世界的にIT化や情報自体の経済価値が重視される経済構造の社会にあっては、オフィスデザインにおける従来的思考は変容を迫られているのです。必ずしも生産設備や特定の就業場所に拘束されるまでもなく、会社などの事業体に収益をもたらすビジネスが活況を呈しています。

デジタル機器を駆使するビジネスのスタイルを踏襲するデジタルノマドと呼ばれる労働者が増加しています。特定の就業場所に拘束されないという意味で、フリーランスの事業者も増加の一途を辿っているのです。目下展開されている働き方改革にあっては、オフィスデザインにおいても自由度が高く労働生産性を高めるための居心地のよさが重視されるようになり、就業場所のありようも大きな変革の波にさらされています。