ワークライフバランスの定義をちゃんと言えますか?

政府が率先して働き方改革が促進されるなかで、最近ではワークライフバランスという言葉を耳にする機会が増えるようになりました。しかしながらなんとなく雰囲気で使われているイメージも強く、本来の定義からすると誤った認識で口の端に上ることも多いようです。

ワークライフバランスという言葉自体はさほど目新しい言葉ではなく、労働者と日常生活のあり方に問題意識が向けられるようになってから、普及した経緯があります。ワークライフバランスの定義を言うなら、仕事と生活が相乗効果をもたらすことにあります。

しかしながら実際には仕事と生活は相反する関係にあるととらえる向きも少なくないようです。具体的には仕事とプライベートは峻別することを心がけ、新入社員は仕事が7割でプライベートは3割であるべき、などの思想に象徴されています。

ここではワークライフバランスと言う言葉には、仕事と生活は一方が犠牲になる関係性が暗黙の前提にされているのです。この考え方では仕事とプライベートは相関関係にたち、いずれかを優先するために他方は犠牲にせざるをえなくなるでしょう。
本来ワークライフバランスという言葉には、仕事で成果を上げる為に日常の仕事以外の時間で、スキルなどを身に付けたり、仕事の生産性が向上し労働時間を短縮することでプライベートの時間が充実するなど、のように両者は相互に補完する関係性に立っています。

両者が排斥しあう関係と誤解すると、経営者も生産性の低下や収益低下を警戒し、ワークライフバランスの音頭をとっても画餅に帰す可能性があります。本来のワークライフバランスを実践するには、ファミリーフレンドリーな職場づくりと男女均等の推進の二点に集約することが出来ます。ファミリーフレンドリーとは、家族育児・介護と仕事の両立をはかることです。働き方改革においても解決の優先度の高い課題と認識されているようです。

そしてもうひとつの男女均等の推進は、男女の性別に関係なく能力を発揮するためのチャンスを与えられることと、性別にかかわりなく人事評価や福利厚生などの待遇において差別的取り扱いを許容しないことを意味しています。

この趣旨を体現したのが、1985年に成立をみた男女雇用機会均等法になります。制定後の法律改正を繰り返すことで現在では、男女の募集採用・配置など人事配置のすべての局面での性差による差別的扱いが禁止されています。今後は差別的慣行の一層の廃止と男女の格差の解消が働き方改革との関連で重要になってくるでしょう。