派遣社員に対する働き方改革の影響とは

働き方改革関連法案は、一億総活躍社会を実現するという野心的目的のもとで労働基準法をはじめとした労働関係法規の8つを一気に改正するというものです。事業所の規模や従業員の数の如何を問わず、全ての事業所を対象にするので、影響を受けるのも全ての従業員が該当することを意味します。正社員はもちろんのこと派遣社員やパート・アルバイトをはじめ役務を提供して労働の対価を得ている条件にあてはまる方、すべてが影響をうけることになるのです。

雇用環境が流動化し、終身雇用がもはや死語になりつつある今日にあって、派遣社員は主要な労働力のひとつ。従来から正社員との間での給与体系だけでなく、人事面や福利厚生面における待遇の違いは問題視されてきました。

働き方改革関連法案において、派遣社員が大きく影響を受けるとみられているのが雇用形態に関係なく公正な待遇を実現することにあります。たとえばたまたま派遣社員で非正規社員であるとの理由で、正社員と業務内容や責任は同一であるにも関わらず、時間給が低かったり通勤手当などが支給されない、休暇や食堂や更衣室などが利用できないといったような福利厚生面での差別的待遇は改善するよう努力義務が規定されています。

もちろん、職務の内容が類似しているように見えても、業務の重要性や責任の重大性など区別した取り扱いをすることに合理性が認められれば賃金格差などは是認されます。しかしそのような特段の理由がない限り同一労働に対しては同等の給与が保障されることになる訳です。これを同一労働同一賃金と呼びます。

派遣労働者のとって働き方改革に大きな期待が寄せられているのは、この同一労働同一賃金の原則が法律上明記されることになるのは間違いありません。具体的には派遣労働者の賃金体系は、派遣先均等方式か、もしくは、労使協定方式が採用されることになります。派遣先均等方式の場合には、賃金や待遇は派遣先に応じて異なります。これに対して労使協定方式では、派遣元会社において労働者代表と投資協定を締結し雇用統計などを参考に賃金などが決定される方式です。

また従来問題視されていた、休憩室や社食施設などの福利厚生についても正社員との差別的待遇は認められないことになるので、就労条件の改善も期待されます。実際に働き方改革関連法案が完全施行されるのは大会社では2020年4月から、中小企業では2021年4月からです。努力義務とはいえ派遣社員についての待遇改善が進むものと期待されています。