看護師には働き方改革の影響はあるの?

働き方改革は業種や事業所の規模の大小を問わず、すべての事業所にあって取り組むべき課題です。病院やクリニックなどの医療施設において現業の大半をカバーする看護師にあっても、働き方改革は取り組むべき課題であることに変わりはありません。看護師の業務は臨床医学の現場において常に必要とされますが、同時に数多くの労働者が役務を提供する現場でもあります。人命を預かると言う業務の特性があるものの、個人の事情に応じて多様な働き方を模索するべき必要性が高いのは、当然のことながら妥当します。

慢性的な人材不足に直面する中にあって、看護を必要とする患者の方々に必要なサービスを提供することを前提にしながらも、過酷な労働条件になりがちな医療機関における労働環境を改善し、長く働き続けることができる環境を実現するのが、看護師における働き方改革の主眼となります。

具体的には長時間労働の是正と、多様な労働者のニーズに応じた柔軟性の高い働き方の実現、雇用形態の違いによる待遇格差の改善などが看護師における働き方改革の課題と認識されています。まず長時間労働の課題については、時間外労働の罰則付き上限制が導入されます。

時間外労働の上限は月あたり最高45時間、年間を通じて合計360時間の枠内で、いわゆる36協定を締結する必要に迫られます。従来から慣行化してきた慢性的な時間外労働の許容は、本来は患者の看護にあたるべき看護師の身体と精神の健康に悪影響を与えていたことを踏まえ、時間外労働は厳に是正されるべき課題です。すぐに着手するべきなのは、労働時間を客観的に把握することです。本来の業務ではなくても、業務の必要上受講するべき研修や自己学習の時間などは、労働時間として把握しなければなりません。

また年次有給休暇の取得が看護師にあっても義務付けられます。年間10日以上の有給休暇を取得した看護師にあっては、5日以上の有給休暇の取得が必須とされるわけです。管理者にあっては年次有給休暇の取得管理簿を作成し、看護師本人に取得状況の周知が必要になります、有給休暇の取得をカバーするために各部署で年次計画を策定したり、有給休暇取得を前提にした人材配置を実現することなどを通じて、有給休暇を取得しやすい職場作りが求められます。

看護師は人命を預かる非常にやりがいのある仕事です。しかし同時に過酷な就業条件に陥りがちなことから、働き方改革による就業環境の改善と多彩な働き方の実現が期待されています。